家庭菜園について

こんにちは!菜園好きのきーちゃんです。

私は小規模ながら家庭菜園を楽しんでいます。

野菜の栽培

毎年、春先にはジャガイモの栽培に始まり、順番に夏野菜の苗を植え始めます。具体的には、ピーマンナストマトきゅうりは定番。スイカのを植えたらカラスに突かれないようドキドキしながら収穫。また暖かい時期になれば、秋冬収穫を念頭に里芋サツマイモのような収穫に時間の掛かる作物の準備も始めます。秋には冬の収穫を目指して春菊大根スナップエンドウの種をまき、白菜玉ねぎの苗を植え始めます。

レタスホウレンソウなどの葉物野菜も作りたいのですが、栽培してもほぼ100%食害されてしまい可食部がなくなってしまうので最近は栽培を諦めています。

野菜栽培の難しさ

家庭菜園なので大規模栽培でもなく、販売もしていないので、虫食いでかじられた野菜でも、いびつな形をしていても我が家で楽しく美味しく頂いています。自分自身で栽培と収穫をすると収穫物に愛情も感じますし、何より本当にみずみずしくて美味しいんですよ。

でも、どれだけ愛情をかけて育てても収穫直前に害虫被害で全滅して一つも収穫できない事や、猛暑や冷夏で植えた苗が全部枯れてしまったり、台風で壊滅してしまう事も頻繁にあります。

害虫が大量発生してしまった際は市販の薬剤で対応する事もあります。例えば、BT剤バチルス・チューリンゲンシスという納豆菌の仲間を利用した殺虫剤)を使用したり、ハーブをベースとした自然農薬、木酢液を利用するなど工夫しています。こうして何年も毎年野菜を作り続けていると、農作物をつくる事は本当に大変で難しいと肌で感じます。

趣味程度の家庭菜園ならほとんど収穫できなくても「来年また頑張ろう!」で済みますが、これが一般の農業で起きた場合には事態は深刻です。人々の命の糧である食べ物が無くなってしまうため、飢餓社会不安など危険な事態に陥ります。

スリランカの農業政策が失敗した教訓

2022年4月、とてつもなく大きなニュースが世界を駆け巡りました。「環境国家」を目指し「化学肥料の使用を禁止した環境政策」を進めていたスリランカですが、政策発表後わずか1年足らずで経済が崩壊してしまい、当時のラージャパクサ大統領が国家破産宣言をして国外逃亡したのです。

 

「100%有機農業」めざしたスリランカ 農家は苦境に陥った(朝日新聞デジタル:2022年7月31日)

スリランカ、化学肥料などの輸入禁止を全面解禁へ(日本貿易振興機構JETRO:2021年12月20日)

 

キヤノングローバル戦略研究所によれば、米の生産量だけでも43%もの減少となったとのこと。

最も根本的な問題は、有機農業の強行による農業の破滅にある。スリランカは、窒素酸化物による公害や温室効果を削減するため、環境に優しい農法を実施すべく、21年4月から化学肥料の使用を全面的に禁止した。化学肥料の輸入額が大きいことから、その輸入を止めれば国際収支が改善するという短絡的な判断もあったようだ。

化学肥料禁止でスリランカの作物収穫量は大幅に減少。農業が崩壊し、主要な輸出作物も失ったスリランカの貿易収支は急速に悪化した。スリランカの農家の90%は化学肥料を使用しており、これがなければ作物の収量が激減することは明白だった。

従来、スリランカの食糧自給率は120%で、自給自足を十分にこなしてきた。だが、21年の化学肥料禁止に伴い、米の生産量は19年比で43%も減少した。スリランカの人口2200万人のうち、70%は直接的または間接的に農業に依存しており、農業への悪影響は社会全体に波及した。

出典:キヤノングローバル戦略研究所 https://cigs.canon/article/20221117_7121.html

 

このため農作物がほとんど収穫出来なくなってしまい急激なインフレが進行。食料品の物価も急上昇して国家破綻に陥ってしまったようです。環境に配慮することは非常に重要なのですが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」といった状況となってしまいました。

 

最近は環境に配慮したESG投資(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)も広がっています。食生活分野で言えば有機無農薬栽培といった耳障りの良い言葉が並ぶことが多いのですが、私たちはそれぞれの言葉が意味する内容や本質を正しく理解して判断する事が大切です。どのような内容でもあまりに極端な事は良くないなと感じる出来事でした。何事もバランスが大事ですね。

 

そもそも「化学肥料」とは何か

マメ科の植物の根っこには、「根粒菌」(こんりゅうきん)という菌が共生しています。この根粒菌は植物から栄養をもらう代わりに、植物の栄養源である大気中に含まれている窒素を取り込み、植物に与えるという共生関係にあります。このためマメ科の植物に関しては他の植物と比較して肥料分が半分ほどで済むことが昔から知られています。

 

地球の大気は、主に窒素(約78%)、酸素(約21%)という割合になっています。つまり私たちが普段から吸っている空気の約8割窒素なんですね。しかし、これまで人類は大気中に含まれている窒素を根粒菌のように利用する事が出来ませんでした。

 

この大気中に含まれている窒素をどうにかして利用できないかと考えたのが、ドイツ出身のフリッツ・ハーバーカール・ボッシュでした。

ハーバー・ボッシュ法

ハーバー・ボッシュ法(ハーバー・ボッシュほう、Haber–Bosch process)または単にハーバー法(Haber process)とは、鉄を主体とした触媒上で水素と窒素を 400–600 °C、200–1000 atmの超臨界流体状態で直接反応させる、下の化学反応式によってアンモニアを生産する方法である。化学肥料の大量生産を可能にした事で食糧生産量が急増し、20世紀以降の人口爆発を支えてきた。(出典:Wikipedia)

これによって大気中の窒素を農業で利用できる肥料として利用出来るようになりました。これがいわゆる化学肥料です。「化学」という名前が付いているので抵抗感がある方がいらっしゃいますが、実は自然界に存在している窒素をただ大気から取り出しているだけなんですね。ですので「化学」という名前だけで無暗に恐れる必要は全くないのです。

 

輪作とコンパニオンプランツ

翌年の野菜を植える計画を立てる際は、連作障害を避けるために必ず輪作を心がけています。

育てたい作物に合わせてコンパニオンプランツを植えて害虫や土壌中の線虫対策をしてみたりと工夫することもとても楽しいです。コンパニオンプランツはいくつもありますが、マリーゴールドの有能さは特に感動するばかりです。

マリーゴールドは、単純に花が綺麗というだけではないんですよ。

花も、茎も、葉も、そして根も、土壌中で栽培作物に対して悪さをする線虫ネコブセンチュウネグサレセンチュウなど)に効果がある植物です。このためマリーゴールドをコンパニオンプランツとして植えることで野菜へのダメージが減るんですね。これはマリーゴールドが枯れた後ですら効果があると言われています。

また、マリーゴールドの花には、野菜栽培で難防除害虫として知られるミナミキイロアザミウマという病害虫の天敵であるヒメハナカメムシを呼び寄せる効果があるんです。このヒメハナカメムシがミナミキイロアザミウマを捕食することで野菜への被害が減らせるのです。これは生物農薬と呼ばれるものです。つまり自然界に存在する仕組みをそのまま野菜栽培に役立てるものですね。

野菜を育てることも、それを毎年工夫することも趣味として楽しめていて、日々生長していく姿を見るのも心が癒されています。みなさまもぜひ野菜を育ててみてはいかがでしょうか。

 

菜園大好き、きーちゃんでした!

 

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