ファイルサーバーという単語が雑誌や書籍から消えていた件について

こんにちは!リモートワーカーなきーちゃんです。

「ファイルサーバー」という単語が消えた!

私は書店で書籍や雑誌を購入することも多いのですが、最近のLinux関係の書籍や雑誌からファイルサーバーという言葉が消滅していました。週刊誌や月刊誌の特集だけでなく、Linuxの導入を1からサポートするような定番解説書からもファイルサーバーの文字が消えていました。

 

目次を覗くとサーバーアプリケーション項目にWebサーバーなどの記述は現在もありましたが、私が学生だった頃にはどの書籍にも当然存在したファイルサーバーの項目が全く見当たりません

「ファイルサーバー」とは

そもそもファイルサーバーとは何でしょうか。ファイルサーバーとは「ファイル共有機能に特化したサービスを提供するコンピュータ」の事を指します。クライアントパソコンから見れば、複数のパソコンなどから利用できる「フォルダ」のように振る舞う機能ですね。

 

ファイルサーバーが普及していなかった時代

私たちは学校の授業や会社での仕事で、WordやExcelなどを使ってレポートや資料を作りますよね。最近の方は見たことないどころか、存在すら知らない方も多いかと思いますが、私が学生だった頃は、作成したレポートをフロッピーディスク(FD)に移して提出していました。最近のものでざっくりと例えるとすれば、データ容量の少ない壊れやすいUSBメモリといったところでしょうか。

この提出された何十枚ものFDを纏めて、先生やティーチングアシスタントがパソコンで一枚ずつ読み込み、データをパソコンに移動していたわけですね。

 

当時はインターネットも黎明期。学生の家でも、必ずしもインターネットが繋がっていた家庭ばかりではありませんでしたし、電子メールに添付ファイルとしてデータを送付する場合でも1MBを超えるようなデータをメールで送付する事は困難でした。こうした時代背景もあってFDでレポートを提出するといった事が行われていたわけです。

 

所属していた研究室内ではファイルサーバーを利用していた

大学4年生にもなると各教授の研究室に所属して活動する事が多くなりますが、私が所属していた研究室ではLinuxサーバー上で「Samba」というファイルサーバープログラムを稼働させて、ファイルサーバーを利用していました。

これによって実験室内に設置してあるパソコンのデータを研究室にあるパソコンで利用したり、取り込んだデータを教授が確認したりという事が簡単に出来ていました。もちろんFDもMO(光磁気ディスク)も利用出来ましたが、ファイルサーバーによる共有フォルダを利用する方が圧倒的に楽だったのであまり使用しませんでした。

 

ファイルサーバーからNAS、オンラインストレージの時代に

こうした時代のLinux書籍には必ず、Sambaによるファイルサーバーの構築とか、共有フォルダを設定しよう、といった文言があふれていました。また、Windowsサーバーでは共有ファイル「SMB」を作成しようといった情報も頻繁に見かけたものです。

 

しかし冒頭で記述したとおり、最近はファイルサーバーという単語を見かける機会がかなり減りました。これにはインターネットの通信速度が飛躍的に上がった事と、オンラインストレージを利用するという社会的な流れがあるのではないでしょうか。

 

最近では、ファイルサーバー機能に特化した専用機器としてNAS(Network Attached Storage)というストレージ機器が普及し、ファイルサーバーという単語よりもNASという単語が使用される機会が増えたということもあります。

 

またGoogleが提供するGoogle ドライブや、Appleが提供するiCloud(アイクラウド)、Windowsで簡単に利用できるMicrosoft OneDriveなど、GAFAM等の巨大IT企業によって提供されるオンラインストレージの普及が進んでいるという事も大きいです。

 

ファイルサーバーというひとつの単語をベースに考えてきましたが、基本機能に違いはなくても、学生時代から大きく時代が進歩してきたと実感するものになりました。

 

ファイルサーバー「Samba」を導入する

ネットワークでファイル共有する方法としては、Windowsのファイル共有サービス「CIFS」やMacOS 9で利用されていた「Apple Talk」、UNIX系OSで利用される「NFS」など多数あります。中でもCIFSはNASなど、広く利用されるファイル共有方法です。「Samba」はCIFS互換アプリです。Sambaサーバーを設置することで、WindowsやMacOSマシンとファイル共有が可能です。

Sambaのインストールと設定(Debian系Linuxでの手順)

1.Samba関連パッケージをインストールします。

$ sudo apt install samba samba-common-bin

共有フォルダを作成します。

2.ここでは、/varディレクトリ以下に「samba」ディレクトリを作成してファイル共有を行う例を示します。

$ sudo mkdir /var/samba

3.共有フォルダへアクセスするユーザー(この例ではsmbuser)を作成し、パスワードを設定します。

$ sudo useradd smbuser
$ sudo passwd smbuser
新しいUNIXパスワードを入力してください:<パスワード>
新しいUNIXパスワードを再入力してください:<パスワード>

4.共有フォルダの所属ユーザーをsmbuserに変更します。

$ sudo chown smbuser:smbuser /var/samba

5.外部からアクセスする際に利用するユーザーとパスワードを入力します。ここでは先ほど作成したsmbuserを利用することにします。pdbeditは、SAM データベース (Samba ユーザーのデータベース) を管理するためのコマンドです。

$ sudo pdbedit -a smbuser
new password:<パスワード>
retype new password:<パスワード>

6.共有フォルダの公開設定を行います。/etc/samba/smb.conf を管理者権限で編集します。

$ sudo vi /etc/samba/smb.conf

7.ファイルの末尾に以下の内容を追記します。完了したら編集内容を保存して、テキストエディタを終了します。

[Share]
    comment = Share Folder
    browseable = yes
    path = /var/samba
    writable = yes
    valid users = smbuser
    force user = smbuser

8.Sambaを再起動して設定を読み込みます。これで設定が完了です。

$ sudo /etc/init.d/samba restart

 

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